自殺を思いとどまる

自分なりに自殺をする準備は整ったので、あとはいつ実行に移すかです

この間、妻や子供たちの顔を目に焼き付けようとすることが増えました

昔の家族写真を見直すと、いずれも幸せそうな顔で写真に納まっています

事実、これまで幸せでした

僕は小学校から高校までいじめにあっていましたが、そんな僕が家族を持てるなんて当時は思いもよらないことでした

普通に恋人を作って、就職して結婚し、子供を作って家族を養う

今思うと、そんな夢のような毎日が実際にありました

でも、僕自身の自分勝手さからそれを手放してしまったのです

自分だけが罰を受けるのであればともかく、妻や子供達にまで影響を与えてしまい、本当に馬鹿で愚かなことをしたと改めて思いました

車の中には、練炭、七輪、ウイスキー1瓶、睡眠薬を隠しています

この時の精神状態はこれまでで一番どん底でした

頭の中に自責や後悔の念がフラッシュバックして、体が痙攣するとともに「ウッ、ウッ」という声が盛んに出るようになりました

妻から子供たちが心配していると聞かされ、いよいよ自分の中で収めることが難しくなってきたことを感じ、自殺する日を決めました

ところが、決行日の何日か前、ある所用で一人で車で出かけた際に、唯一連絡が取れる社用のスマートフォンを家に忘れてきたことに気づきました

所要を済ませて家に帰ると、そのスマートフォンは食卓テーブルの上にあったのですが、いるはずの妻の姿がありません

スマートフォンには妻からの着信が何件もあったので、妻に折り返しました

妻は、僕が自殺しそうな場所に向かって車を走らせている途中でした

泣きながら安堵した声で「本当によかったー」「スマホを置いて出かけて、連絡が繋がらないから自殺しに行ったかと思った」と妻は言いました

僕は「自殺なんかするはずないじゃん」と伝えましたが、内心穏やかではありませんでした

隠しているつもりでしたが、妻はなんとなく察知していたようです

これで僕は自殺を思いとどまりました

思いとどまったというより、自分勝手に盗撮という犯罪を犯した上に、また自殺という身勝手な行いをする訳にはいかないと心を入れ替えて、改めて社会復帰して家族に不自由がないように頑張ろうと思いました

実際のところ、自殺するのが怖かったことに違いはないので、そのように理由付けしただけかもしれませんが

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