警察署につくと弟が待っていました
やったことがやったことなので、罵声を浴びたり殴られることを覚悟していましたが、弟は冷静でした
「すまない」と簡単に弟につたえました
思えば、弟に謝るのは子供のころ以来だなと瞬間的に考えました
刑事に見送られ弟に車に乗り込み簡単に話しましたが、弟からまずは弁護士を探すべきと伝えられ、弟のスマートフォンで弁護士を検索して、一番最初にヒットした弁護士に会いに行くことになりました
最寄りの駅まで送ってもらうことになり、その間、弟は多くを聞き出すことはしませんでした
何を話すでもありませんでしたが、これまで緊張で張りつめていた分、車内は久しぶりに落ち着くことができる空間でした
最寄駅からはまた一人になります
泣き言をいうわけにもいかないので、弟には謝意を伝えて別れました
そこからの道中のことはあまり覚えていませんが、あっという間に弁護士事務所についた記憶があります
中に入ると個室に案内されました
弁護士にかかわるのは初めてです
ややして、僕より若そうな弁護士がやってきました
自己紹介もそこそこに、第一印象としてはややとっつきにくそうな人という印象でした
じきに具体的な話になりましたが自分がやったことは盗撮という性犯罪なので、他人にそのことを伝えたくありませんでしたが、ここまできてそうは言ってられません
ここまでの経緯を話すと、淡々と必要な情報を事務的に聞いてきます
私の場合は、これまで警察のお世話になったことはないこと、すでに職場が把握していること、1件の被害届が出ていること、犯行の状況について話しました
そのうえで、弁護士費用として約30万円払えるのであれば、担当弁護士として契約すると言われました
正直なところ、目の前の弁護士が優秀なのかどうかわかりようがありません
でも、藁にも縋る思いで、コンビニでお金をおろして契約しました
弁護士からは盗撮事件で不起訴にもっていくためには、まずは被害者との示談が必要とのこと
そのために早速明日から警察と話をしてくると聞き、頭の中で咀嚼できていない部分がありつつも頼もしく感じました
そして帰宅の途につきました
家では妻が待っているはずです
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