前回の呼び出し時に犯行現場を再現する引き当たり調査を済ませているので、基本的にはそれになぞらえながら行いました
以前の記事にも書きましたが、衆目の中で行われた引き当たり調査は今でも忘れないトラウマです
ですが、それ以上のトラウマを被害者に植え付けてしまった僕に文句を言う権利はありません
当日家を出てから犯行現場までの経路と時刻、犯行状況などを詳しく聞かれます
進めていて思ったのは、刑事にとっては被害者の女子高生から聞き取っている内容が正解なので、それと若干でも僕の証言に食い違いがあるとすごく食らいついてきて、女子高生の証言に合わせようとしてきます
一通りの中で僕が意図していなかった内容を被害者が認識している内容があったので、事前に弁護士に言われていた通り、僕にとって事実と異なる点は臆せずに刑事に伝えました
刑事はある程度のところまで供述調書を作成すると、何度か上司に内容を確認して方向性を確認していました
その都度、取調室を空にして僕を一人にしないようにするため、代わりの刑事に見張られます
お互いに全くの無言のなかで20~30分過ごさなければならない時間が一番苦痛でした
これが何度か繰り返されましたが、一度、代わりの刑事が担当刑事の上司の時がありました
その際に「最近の日常はいかがですか?」と尋ねられたので、会社からの指示で自宅待機をしていること、再犯を起こさないようにするための自戒の記録として日記をつけていること、カウンセリングを受けていること、被害者とご家族への謝罪の気持ちなどを伝えました
上司の方は「あなたに罰を与えたいと思って取り調べをしているわけではない」「同じ犯罪をもう二度と起こしてもらわないようにするために行っているので、協力してください」と仰いました
僕はもう少し話したかったのですが、担当の刑事が戻ってきたので上司の方は出ていかれましたが、それからほどなくして、以前警察に押収されていた、私用のスマートフォン2台と会社のノートパソコン、犯行当時の上着と通勤カバンを返却していただきました
久しぶりに見る自分のスマートフォンは、言い方を変えると被害者にとっては凶器ですから、再び使用する気にはその時なりませんでした
押収物が返却されたことは、僕に対する捜査がひと段落したことを意味しますので、その点ではホッとした感情を抱いたことを覚えています
そして供述調書が完成し、「今後は以上の内容で検察に書類送致します」「そのどのような量刑になるかは弁護士さんに確認してみてください」と言われました
まだまだ終わったわけではありませんが、警察とのやり取りはこれで終わりです
僕が再犯しない限り、担当の刑事とも、もう会うことはないでしょう
警察署の外は日が暮れていました
妻に今日の内容を電話で簡単に説明して家路につきました